子どもたちの映像制作という新たな学びを支えたい。先生方のリアルな思い|MCP -函南町立 桑村小学校編- vol.2
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クリエイターが小中学校と一緒に授業作りに取り組むMovie Communication Program(MCP)を、もっとたくさんの子どもたちに届けたい。そんな思いから、プログラムの内容や魅力を伝えるプレセミナーが生まれました。Vol.2では、2024年度にプレセミナーを実施した静岡県 函南町立桑村小学校の先生方に伺ったプレセミナーの感想や、プログラムに関するさまざまな疑問や期待についてお届けします。
子どもたちの反応に手応え
プレセミナーの後、関口校長先生、萩原先生(5年生担任)、江川先生(4年生担任)、露木先生(情報担当)の4人の先生方にご参加いただき、ディスカッションを行いました。
ー子どもたちの反応はいかがでしたか。
萩原先生「セミナーのあと教室に戻ると、みんな「面白かった」って言っていました。YouTubeはみんな見ている身近な存在ですし、自分もやってみたいという興味があるようですね。」
江川先生「うちのクラスも普段からYouTubeを見ている子は多いので、みんな目を輝かせていましたよね。映像を見る側の視点ではなく、つくったり発信する側の視点からのお話を聞くことで、子どもたちにも新しい発見があったのではないかと思います。」
やはり、先生方にとって気になるのは子どもたちの反応。子どもたちのイキイキと参加する姿をみて、映像制作のプログラムに手応えを感じていただけたようです。
一方で、率直なご感想もいただきました。
萩原先生「普段の授業でも映像を撮影することはありますが、1時間程度の内容です。約8回に及ぶ長期間のプログラムとなると未知の体験なので、子どもたちも先生も、やり切れるのか少し心配ではありますね」
さまざまな教科の指導を行う先生方も、映像制作は未知の領域。不安もあって当然です。MCPはそんな先生方を上手にフォローする仕組みも体系化されています。4人の先生方には、プログラムの各回の詳細やクリエイターチームとの連携方法などをお伝えし、質疑を通じて疑問点をクリアにしていただきました。
地域や学校の願いや実態に合ったテーマ設定を
ー桑村小学校で実施するとしたら、どんなテーマがよいでしょうか?
露木先生「今日参加した子どもたちは、総合的な学習の時間で地域の人たちの願いをインタビューしたことがあります。その中で『この地域にもっと子どもが増えたら』『たくさんの子育て世帯がここで暮らしてくれたら』という地域の願いを聞き取っています。このインタビュー内容とつなげて、住んでみたいと思ってもらえる街であることを発信できないかと思いました。」
ーこれまでに積み重ねてきた学習とつなげる形で映像のテーマを決めるのもよさそうですね。初島の実践事例でも、それまでに学習したことからテーマを定めた生徒がいました。
萩原先生「いま国語の授業では、相手を意識した表現を重視しています。映像制作もその延長線上にあるものと考えるとスムーズかもしれません。取材の仕方、表現の仕方、発信方法など、さまざまな選択肢があることを教えてあげたいですね。」
関口校長先生「桑村は初島のような観光地ではありませんが、住宅地として、また、自然の豊かな土地としての魅力がたくさんあると思います。テーマ設定次第で、自分たちが住む街の魅力に子どもたち自身が気づいて、自信につながっていく体験になるのではないかと期待しています」
次回は、桑村小学校の皆さんに体験していただいたプレセミナーの内容をダイジェストでお伝えします。
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※本記事アップ時点での内容となります。法律や手続き方法、名称などは変更されている可能性があります。