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クリエイティブの力を社会に役立てたい|「街の魅力をPR動画で発信しよう!」クリエイター×学校教育プロジェクト vol.1

「仕事以外の場でも、自分のスキルや経験を社会のために役立てたい」。「クリエイティブ領域で新しい経験を積み、仕事の幅を広げたい」。クリエイターとして日々仕事している中で、そういった思いを持つ人は少なくありません。SHOOTESTは、そんな熱い思いをもつクリエイターと小中学校が一緒になって、動画制作を通じて地域の魅力を発見する、半年間の授業づくりに取り組みました。

人に喜ばれる、個性が活かせる、新しい経験ができる。仕事を離れたクリエイティブ

「自分のスキルを、仕事以外の場面でも活かしたい」。そんな思いから、地域、教育など、さまざまなフィールドで自主的に活動するクリエイターが、少しずつ増えてきています。

また、実際そうした活動に取り組むクリエイターからは、
「目の前にいる人たちが喜んでくれることが嬉しい」
「仕事を離れ、個人として活動することで、自分の個性を表現することができる」
「社会貢献的なプロジェクトで新しい経験を積み、仕事の幅が広がった」
といった声が聞かれます。

ひとりひとりのクリエイターがもっているスキルや経験は、社会のさまざまな場面に必要とされているはずです。そして、その経験は、仕事の幅を広げることにもなります。クリエイターとクリエイターの力を必要とする人たちをつなげたら、きっと面白いことが起きるのでは?そんな風に考えて、SHOOTESTは、クリエイター同士でチームを組んで社会貢献活動を行うプロジェクトをスタートしました。

教育の場で、「表現する力」が求められている

いま、学校現場では、自分の伝えたいことを相手に伝える「表現力」をいかに育むかが課題となっています。ICT機器も充実し、スライド資料や写真、動画を活用する機会も増えています。映像などの表現を用いて自分の伝えたいことを「相手に伝わる表現」にする力がますます必要となってきているといえます。

しかし、表現することに難しさを感じる子どもたちが多いのも事実です。

たとえば、総合的な学習の時間や社会、国語で取り組まれている「町学習」。調べ学習やフィールドワークを通じ、自分の生まれ育った街の魅力を再発見する学習ですが、街の魅力を自分以外の人や、地域の外の人たちと共有することは想像以上に難しいもの。「伝えたいのに伝わらない」、自分の思いがそのまま伝わるわけではないこと、そこに表現力が必要になることを、子どもたちは日々の学習から感じ取っているはずです。

「プロから教わることで、表現方法を見つけてほしい」

今回、SHOOTESTと一緒に授業作りに取り組んでくださった熱海市立初島小中学校の関口校長先生も、
「子どもたちの表現力や情報発信の力をどう育むかは課題です」
と語ります。

初島小中学校は、熱海港から船で約30分の離島「初島」にある唯一の小中学校です。全校生徒10人とごく少人数のため、他校との交流授業などの機会も持っているものの、どうしても普段のコミュニケーションは身近な相手が中心になりがちとのこと。

「子どもたちには、もっと発信の機会をもたせてあげたいと思っています。特に動画に関しては、先生方も専門外です。クリエイターの皆さんと一緒に取り組むことで、新しい表現の仕方を、子どもたちにも先生にも体験してもらえれば、と思っています」

と話してくださいました。

「街の魅力をPR動画で発信しよう!」。映像制作の知見を活かした教育プログラム

そんな背景をもとにSHOOTESTが提案したのが、プロの知見を活かし映像を制作する、アウトプット型教育プログラムです。

映像をつくるには、いきなり撮影するのではなく、さまざまなプロセスがあります。街の魅力を伝える動画を作成する場合なら、

1.人に話を聞きに行ったり、街を散策する中から感じるままに情報を集める。
2.そこから何を感じ、自分は何を伝えたいのか、相手は何を求めているのかを考え、イメージを膨らませる。
3.仲間との議論や自問自答を繰り返す中から、伝えたいイメージを言語や絵コンテに落とし込み、イメージを具体化していく。
4.カメラを持ち、準備してきたイメージを元に、その場で初めて出会う出来事も含めながら、目の前に広がる世界から自分が必要な素材を切り取っていく。
5.切り取った情報を繋ぎ合わせ、イメージを映像として具現化する。

おおよそこのようなプロセスを経て進めます。

こうしたプロセスを、小中学生に合わせた全8回のプログラムに構成。授業はプロの知見を集めたカリキュラムに沿って先生方が実施し、専門的な指導が必要な授業の部分はクリエイターが講師として登壇するという協働的なスタイルで授業案を固めていきました。

「初島の魅力をPR動画で発信しよう!」
第1回 街の魅力を見つけよう
第2回 フィールドワークをしよう
第3回 動画作りに必要なことを知ろう
第4回 絵コンテを作ろう
第5回 動画を撮影しよう
第6回 動画を編集しよう
第7回 作った動画を見てみよう
第8回 動画を完成させよう

これが全8回の授業内容です。PR動画の制作を通じて、子どもたちはどんなことを体験し、感じ、学んだのでしょうか。

次回からは、初島小中学校の皆さんとクリエイターとの、半年間にわたる取り組みについてお伝えしていきます。お楽しみに!

※本記事アップ時点での内容となります。法律や手続き方法、名称などは変更されている可能性があります。

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