• HOME
  • ライフ
  • 自分の手で作り切る体験が、次の「やってみたい!」につながる|「街の魅力をPR動画で発信しよう!」クリエイター×学校教育プロジェクト vol.5

自分の手で作り切る体験が、次の「やってみたい!」につながる|「街の魅力をPR動画で発信しよう!」クリエイター×学校教育プロジェクト vol.5

小中学生が街に飛び出し、動画制作を通じて街の魅力を再発見する「街の魅力をPR動画で発信しよう!」プロジェクト。本年度は、静岡県熱海市立初島小中学校の児童生徒たちがチャレンジ!約半年の活動を経て完成した動画が、学校の文化祭で家族や地域の人たちにお披露目されました。

地域の皆さんに動画をお披露目

子どもたちが作った動画は、YouTubeへの公開前に、文化祭で地域の皆さんにお披露目することになりました。文化祭といっても、小中学校にとどまらず、保育園児や地域の人も参加するのが初島の特徴。学校と地域が一体となって行う、子どもたちにとっても大切な行事です。

iPadをもって撮影に出かける様子を見かけたり、インタビューに答えてくださったりと、ここまでいろいろな形で見守ったり、応援してくださった地域の皆さん。どんな動画ができあがったのか、楽しみにしている方も多いようです。

同じ小学生が楽しめる内容にこだわった

発表は、小学5年生の3人からスタートしました。緊張するのかな?と思いきや、マイクの調子を確かめたり、会場に手を振ったりと余裕の子どもたち。スライドも駆使しながらの堂々とした進行ぶりに、「今の小学生ってこんなにすごいの??」とクリエイターチームもびっくりです。

Aさんは、3年生のときの総合的な学習の時間で「初島の珍しい植物」を調べた経験をもとに、動画で初島の花を紹介しようと考えたのだそう。「手が震えると画面がぶれて見にくいので、気をつけました」とAさん。見る人の立場に立って、よく考えられています。「動画の撮り方を教えてくれたのが、ここに映っているYouTuberさんです」と、クリエイター先生の一人、池辺さんのことも紹介してくれていました。

島内にある灯台の紹介動画をつくったBさん。「有名なあれが見える?」とのタイトルにぐっと惹かれますね。「自分たちと同じ小中学生に知ってもらうために動画をつくった」というBさんは、観光スポットとしてもっと知ってほしい、との思いから灯台を素材に選んだのだそう。「夜に灯台に行ってみたけれど、光がうまく映らなかったので、自分でイラストを描くことにしました」。自分なりの工夫で、難しい点を乗り越えました。

「自分が初めて島に来た小学生になったつもりで、もう一度来たいなと思えるような動画にしようと思いました」というCさん。「見ている人が飽きないように、できるだけテンポよく」と、動画の授業で教わったことをしっかり反映させていました。先生と1時間かけて撮りに行ったという、船からの映像に始まり、遊びスポットからグルメスポットへと、観光客の動線を意識した構成に脱帽です。

島に生まれ育った自分だからこそ伝えられること

続いて、発表は中学生の番。初島で育ち、学んできた中学生。地域の魅力を充分に感じながらも、それがそのまま地域の外の人に伝わるわけではないことも感じ取りつつある彼らにとって、動画制作はどのような意味を持っていたのでしょうか。

Dさんが動画で取り上げたのは、島の特産品、サザエとイセエビ。一般的な内容に止まらず、他ではなかなか聞けないようなレアな情報を取り上げているのは、島で生まれ育ち、「昔から海の生き物を見てきました」と語るDさんならではの視点です。動画からは、漁協に足を運び、協力も仰ぎながら丁寧に作っていった様子がよく分かります。
別の発表では、海からの漂流物でつくる「ジャンクアート」を取り上げていたDさん。Dさん独自の世界が、動画という新しいツールでさらに広がる可能性もありそうです。

中学1年生の頃から「初島100年プロジェクト」というマイプロジェクトを進めていたEさん。初島が100年後も暮らしやすい島であるためには?との問いから島の医療の問題にたどり着いたEさんは、「島への住み込みを希望する医師がいれば医師の常駐が可能になるかもしれない」との期待を抱きます。そんなEさんが注目したのが、インターネットを介した初島の認知向上でした。
自然や海が有名な初島だけど、別の切り口にすることで、新たに興味をもってもらえる人を増やしたい、と考え、初島の歴史紹介を動画のテーマに選びました。完成した動画には、歴史を楽しく面白く知ってもらうためのさまざまな工夫がこらされています。

3年生になってから、動画制作と並行して観光アプリへの企画提案も行ってきたEさん。堂々とした発表ぶりに、「初島100年プロジェクト」を通じて本当に島のこれからを創っていけそうなエネルギーが溢れていました。

動画制作から、新しい学びが始まる

SHOOTESTでは、半年間に及ぶ5人のチャレンジを、短い動画にまとめました。最後に子どもたちも一人ひとり感想を語っていますので、ぜひご覧ください。

文化祭での発表を通じて、
「また動画撮影に挑戦してみたいです!」
「今回撮った以外の初島のいいところも知りたいので、次はランキング形式で紹介したい!」
など、次につながるアイディアがたくさん出ていたのが印象的でした。動画制作がゴールではなく、そこからまた新しい学びや活動につながっていきそうで、今後がとても楽しみです。

次回は、一緒に授業作りに取り組んでくださった小中学校の先生方や、関わったクリエイターの声をお届けします。

※本記事アップ時点での内容となります。法律や手続き方法、名称などは変更されている可能性があります。

関連記事