知識を「自分ごと化」する子ども主体の取り組み|MCP -函南町立桑村小学校編- vol.6

インターネットが当たり前となった現代社会において、子どもたちには自分の声を他者に届ける表現力と同時に、情報リテラシーが求められています。動画制作を「次世代型の教育プログラム」と捉え、動画制作のプロセスを小中学生向けに構成した教育プログラム「Movie Communication Program(MCP)」。プログラムを通じて、子どもたちはどのような学びを積み重ねていったのでしょうか。

撮影計画も子どもたちの手で

Movie Communication Program(MCP)第4回の授業は「コンテをつくろう」「撮影計画を立てよう」の2本立てで行いました。コンテとは、動画のアウトラインを絵や文字で表現する作業のこと。ここまでに「何をテーマに撮影するのか」までは決めてきた子どもたちが、「どんな内容の動画を撮ろうかな?」と考え始める最初のステップです。

池辺さんが実際にこれまでの仕事で作ったコンテや、コンテをもとに出来上がった動画を紹介すると、子どもたちもおおまかにコンテの役割を理解した様子。思い思いに鉛筆を走らせ、動画のアイディアを文字や絵にしていきます。

「こういうふうにしようかなあ」
というつぶやきも逃さずに、池辺さんが「いいね、面白い!」と声をかけていきます。

動画制作のためには計画も肝心です。
「こんな動画を撮りたい」とぱっとひらめいても、実際に撮るためには、いつ、どこへ行けばいいのか、どれぐらいの時間がかかるのか、誰かにお願いしておくべきことはないかなど、必要なことを洗い出し、計画としてまとめる必要があります。
とはいえ、動画制作を初めてする小学生にとっては、いきなり完璧な計画を立てるのは難しいことです。最初は漠然としていたとしても、まずは自分なりに何が必要なのかを想像してみることや、計画をもとに動いてみてうまくいかなかったことがあれば、どうしたらいいか自分なりに考えるといった試行錯誤の体験を、このプログラムでは重視しています。

授業内でも、担任の先生やクリエイターに分からないことを聞きながら、時間いっぱいまで考える子どもたちの姿が見られました。

「発信者」の視点で情報リテラシーを学ぶ

第5回の授業は「情報リテラシーを学ぼう」。
超情報化社会を生きる子どもたちにとって、いまや情報リテラシーは必須の能力。小中学校でも、国語の授業を中心に、情報リテラシーを高めるための教育が行われています。情報を安全に受け取り、活用するためだけでなく、発信する側としての知識やスキルを身につけてほしい。そんな思いから、Movie Communication Programのカリキュラム内に情報リテラシーに関する授業を導入しています。

「情報リテラシーっていう言葉を聞いたことがある?」との界外さんの投げかけに「ない…」と首をかしげる子どもたち。スライドとワークシートを使って、徐々に理解を深めていきました。情報リテラシーは法律で定まっていることも多く、難しい言葉もたくさん。にもかかわらず、子どもたちはクリエイター先生の説明に熱心に聞き入っています。

「好きなアニメのキャラクターの画像をインターネットで探して載せてもOK?」
「知らない人が映っているこの画像は使ってもOK?」
など、実際の場面に即してクイズ形式で考えてみることで、少しずつ自分たちの動画づくりに情報リテラシーがどんなふうに関わってくるのかイメージがつかめたようでした。

「これからは、誰でも情報発信の側に立つ時代です。よく分からないからと避けるわけにはいかなくなってくる以上、ルールを知り、どうすべきかを自分で考え続けていく、ということを知ってもらえれば」

と講師の界外さん。「自分の動画をつくる」というはっきりした目的があるからこそ、授業で学んださまざまなルールや考え方は、子どもたちにとっても生きた知識として感じられたのではないでしょうか。

見る人の立場に立った動画編集

夏休み前の授業と、夏休み中の時間も使ってそれぞれ動画撮影を進めてきた子どもたち。
9月に入り、動画編集の段階まで進んだところで、MCPチームはふたたび教室におじゃましました。

「今日は、いまできているところまでみんなで見てみましょう」
と池辺さん。一人ひとりの動画がスクリーンに映し出されます。
手描きイラストのオリジナルキャラクターを登場させたり、内容に関するクイズを入れたり、テーマに合わせたBGMを挿入したりと、とても個性豊かです。それぞれが、見る人の立場に立って、楽しく見てもらえるように心を砕いていることが伝わってきます。

お互いの動画をみるのは今日が初めてとあって、子どもたちも食い入るようにスクリーンに集中しています。

友達の動画を見ることで、
「あ、これ真似したいな」
「こうすればいいんだ」
とブラッシュアップのヒントにもつながったようです。みんなで動画を見たあとは、時間いっぱいまで集中して編集作業に取り組む様子がみられました。

プログラムのスタートから4ヶ月。子どもたちもチームメンバーにすっかり慣れてきたようです。サポート役のメンバーに作業中の動画を見せてくれたり、「ここに音声を入れるのはどうやったらいいですか?」などと自分から質問してくれる子も増えてきました。

ここからさらにブラッシュアップを重ねていく子どもたち。動画の完成までもう少しです。


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