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変化する時代の中で、デザイナーとしての自分を守るための正しい知識が知りたい

パーソナリティ大石智久さんによるコラムです。デザイナーの仕事をしていると、著作権など、法律に絡む問題が時々出てきます。
日々の仕事の中でなんとなく知っていることもあるけれど、「これって本当に問題ないのかな?」と気になり調べても、確信の持てる情報はなかなか出てこないという不安があるそうです。


地形は誰のものでもない。Googleマップを参考に地図を作る際の許容範囲はどこまで?

著作権があるとわかるものは、著作権の侵害をしないように手続きを踏んだり、使用しないようにすればいいのですが、問題は、それがわかりにくいものが多いということです。

例えば、Googleマップ。もちろん、Googleマップには著作権があるので、それをそのまま模写して使うことができません。でも、地形そのものには著作権がないんです。

デザイナーの中でも、地形は誰のものでもなく誰が描いてもベースは同じ形になるのだから、地形だけなら著作権侵害にならないんじゃないかという判断をしてトレースする人もいるし、それについてレクチャーしている人もいます。

でも仕事をしていく上で、うっかり著作権侵害してしまった、という事態は絶対に避けなければなりません。何をすると著作権侵害になってしまい、どこまでなら許されるのか、という境界線のようなものは自分を守るために知っておきたいと思っています。

もちろん、個別の事例によって判断が異なってくるものもあると思いますが、ベースとなる部分は、基礎知識として知っておきたいですね。

変化のスピードが著しい今だからこそ、最新で正しい情報がほしい

アートディレクターという立場として最近気になっているのは、サイトからの引用はどこまで許されるのか、というところです。

例えば、僕が関わっているサイト「SHOOTEST」の内容が、他の似たようなサイトに引用されているんですよ。もちろん、著作権法に基づいて掲載していますというような断りはあるのですが、どこまでも引用可能ならば、引用した者勝ちになってしまうんです。

引用として他社のサイトの情報を掲載していくと、結果的に引用された個々のサイトよりも情報量が多くなってしまうんですよね。法的にはセーフなのかもしれないですが、SEO的な観点から考えると複雑な事情があります。引用されている側としては、なんとかならないのかと思います。

インターネット上の情報はこの10年で急激に増えたので、著作権についても、後から仕組みが追いついていくというか、これまでは著作権の対象として想定していなかったものが、どんどん出てくると思うんです。

時代が動いているからこそ、最新の情報が知りたい。でも、こんな時代だからこそ、何が正しいのか、その答えを見つけようとしてもインターネットの検索では難しいと痛感しています。

今回、SHOOTEST Journalで専門家の方に直接聞くことができるのはとても嬉しいです。著作権はデザイナー生命にも関わってくるとても重要なことなので、日ごろあいまいにしか理解できていない点をしっかりと聞いていきたいと思います。

※本記事アップ時点での内容となります。法律や手続き方法、名称などは変更されている可能性があります。

静岡市出身。好きなミュージシャンのWebサイトに触発され、独学でWebデザインの基礎を学び、フリーランスからデザイナーとしての一歩を踏み出す。現在はアートディレクターとして活躍している。

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