経費や税金についてどこまで理解できてる?会社員が複業を始める時に知っておきたい基礎知識vol.3
個人事業主として仕事を始めると、会社員の時には会社がやってくれていた経費の計算や税金周りのことまで、自分でやらなければならなくなります。
できれば避けて通りたいけれど、そうもいかなくなるのが、個人事業主なのです。
今さら聞きづらい税金周りの基本的な知識や、知っておいた方がお得だよ、という情報について、税理士の吉岡俊哉さんにお話を伺います。
専門家プロフィール
吉岡俊哉 Shunya Yoshioka/税理士
新卒でコンサルティング会社・税理士法人へ入社し、中小企業の税務顧問・事業継承案件・相続案件を中心に従事。メガバンクに出向後、2013年に税理士登録。2017年に独立し、税理士法人THREE設立。
目次
これは経費になる?
今、会社員の給料だけでも生活はできるので、どこまで経費としていいのか、個人事業主1本でやっている人よりも難しいと感じています。
例えば家賃とか、光熱費とかも迷います。
自宅でも作業をしていると思うので、按分していいと思います。
半分などというざっくり計算はちょっと攻めすぎかな、と思います(笑)
実務的には、面積や時間で按分することが多いです。
ちなみに、仕事の打ち合わせの際の飲食費は経費になりますよ。
それは入れています!
仕事で使う機材や画材も入れていますが、わからないのが携帯電話の利用料です。
仕事で使っているなら、それも按分して経費にできますよ。
確定申告をした後になってから「これも経費になるなら入れておけば良かった!」というものがあった場合、遡って入れることはできますか?
5年まで遡って入れることができます。
「更正の請求」といって、過去の申告が間違っていたので税金を還付してください、と請求する手続きです。
逆に、経費にならないものを入れていたり、漏れていた収入があった場合には「修正申告」という手続きで申告内容を修正することになります。
源泉徴収、された方がいい理由
生命保険料控除について教えてください。
会社員なので、年末調整で計算してもらっているんですけど、そのままでいいんですか?
結局、年末調整と確定申告のどっちでやっても最終的には税金は変わらないので、やってもらえるなら年末調整で計算してもらった方がいいと思います。
確定申告の時の手間が省けるので。
年末調整は会社でやってくれているし、自分でも確定申告をしている。2つあるので、全体感がとらえにくくて不安になります。
源泉徴収票に全ての情報が入っているので、その見方がわかると、理解できるようになると思います。
仕事を委託した相手に報酬を支払う場合は、源泉徴収した額を支払うことになりますか?
源泉徴収の対象となる報酬は決まっているので、対象である場合には、源泉徴収して支払う必要があります。
そうしないと、税務署から「これは源泉徴収の対象ですよね」と指摘される可能性があります。
源泉徴収される側の立場になると、徴収しないでくださいって思ってしまうのですが(笑)。
最終的に納める税金の前払いのようなものなので、そこは諦めてください(笑)
ふるさと納税、いったい何が得?
その他、今から個人事業主を視野に入れて複業を始める、という人たちが「これだけは押さえておきたい」というものがあれば知りたいです。
そうですね、個人的にはふるさと納税はやった方がいいと思います。
この間、ちょうどその話を友達としたんですが、意外と知らない人が多かったです。
分かりやすく説明すると、生まれた故郷や応援したい自治体に寄付ができる制度です。
手続きをすると、寄付金のうち2,000円を超える部分については所得税や住民税が減るんです。
自分で寄付金の使い道を指定できたり、地域の名産品などの御礼の品もいただける魅力的な仕組みなんですよ。
「ふるさと納税、いいよー」っていう声も聞くんですけど、面倒くさそうだからまだやったことがないんです。
収入などによって限度額もありますが、自分の限度額がいくらかを計算するホームページもあるので、ぜひ、楽しみながらやってみてください。
※本記事アップ時点での内容となります。法律や手続き方法、名称などは変更されている可能性があります。