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業界の慣習に流されず、クライアントとの契約や支払い周りをきちんとしたい

パーソナリティ高橋遼さんによるコラムです。フリーランスのクリエイターは、契約や支払いに関する部分も全て自分でやらなければなりません。
「業界的にこんなものなのかな?」と自分を納得させながらもモヤっとしてしまう、クリエイター特有の悩みや疑問について語っていただきました。


「これおかしいよね?」 疑問を抱きながら泣き寝入りしたことも

僕は映像やCMを作っていますが、大学は経済学部を出ています。なので、仕事上の契約や支払いなどについてあいまいな部分があると、経済学部卒ならではのセンサーが働いてしまいます。

例えば、フリーランスで仕事をしていると、クライアントが契約書を作らずに口約束で進んでいくのが普通だったり、結果的に作業工程数が増えても上乗せして請求することができず、泣き寝入りするしかないこともあります。

ひょっとしたら他のクリエイターや映像業界が長い人たちは「業界的には、こんなもんだよね」「これが慣習だよね」と、自分を納得させたり、受け入れているのかもしれません。でも僕は「これっておかしいよね?」「なんか誤魔化されている?」とモヤモヤしてきます。鈍感でありたいんだけれど、勝手にセンサーが働いてしまうんです。

そうは言っても、どこに聞きに行けばいいのかわからないし、解決方法もわかりません。そんな風に思う自分はマイノリティなんだろうなと思いながら最近まできましたが、SHOOTEST Journal で専門家や、他のクリエイターの話も聞くようになったら、「ああ、みんなやっぱり悩んでいるよね」と気づきました。実際、過去にトラブルになったという話も少なからず耳にします。

何かあった時にどう備えるか 自分を守る術を知りたい

ここ数年、クライアントの規模が少しずつ大きくなってきています。小規模のところに比べて、契約や対応がしっかりしているな、とは感じています。ただ、金額が大きくなってくると、何かあった時のこちらの責任も大きくなってきているのを痛感しています。

特にこの1、2年は、新型コロナウイルスの影響で不測の事態が起きやすいです。僕自身、検温で引っかかって大事な現場に入れない、というアクシデントを経験しました。そんな時、一体どうしたらいいのか? 不測の事態で納期がずれ込んでしまうような時は、どう対応すべきなのか? そんな新たな悩みも出てくるようになりました。

クライアントに対し、フリーランスはどうしても弱い立場です。明らかに力関係に差がある中で、どうやって自分を守っていけばいいのか。何かあった時にどう備えておけばいいのかーー契約金額が大きくなる中で自分を守る術を身につけておく必要を感じています。

SHOOTEST Journalの場で、これまでモヤっとしてきた部分や不安に感じているところを専門家に聞いて解消し、改善していきながら、同業の人たちの参考になる話も聞いていきたいと思います。

※本記事アップ時点での内容となります。法律や手続き方法、名称などは変更されている可能性があります。

1988年生まれ。2011年に独立、最先端技術からアナログ技術を結ぶクリエイティブを提案。CM、MVなどの商業映像を始め、シネマティックな世界観での映像表現を追求。海外のフィルムフェスティバルでの受賞など、映像作家としても活動している。

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