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専門家インタビュー:税理士

大きな声では聞きづらい、でも本当はとっても知りたい税金・資金計画の基礎知識vol.2

独立してフリーランスになり、安定して売上が伸びてくると視野に入ってくるのが、法人化という次のステップ。法人化した方がいいのか、今のままがいいのか。そもそも何が変わるのか?
法人化を検討するうえでの基礎知識について、税理士の吉岡俊哉さんにお話を伺いました。

専門家プロフィール
吉岡俊哉 Shunya Yoshioka/税理士
新卒でコンサルティング会社・税理士法人へ入社し、中小企業の税務顧問・事業継承案件・相続案件を中心に従事。メガバンクに出向後、2013年に税理士登録。2017年に独立し、税理士法人THREE設立。


法人化するタイミングは?

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個人事業主で10年ほどやってきて、最近、法人化も選択肢としてあり得るのかなと思っています。
一人会社ぐらいの規模で法人を立ち上げる人って、どんなコスト感でやっているのか知りたいです。


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そうですね、一概には言えないですが一つの目安として言われているのが、利益がコンスタントに700〜800万円ぐらい出るようになったら検討しましょうか、と。


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700〜800万円になると、何かが変わるということですか?


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個人事業主は累進課税で稼げば稼ぐだけ税率が上がっていく仕組みになっています。最高税率は55%にもなるんですよ。


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55%! それは絶対法人化すべきですね(笑)。 


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一方、法人は基本的には33%ぐらいになるので、個人でたくさん稼いでいる人は法人にした方が税率が下がるんですね。そこが、法人化を検討するフェーズです。


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消費税も関係すると聞いたことがあるのですが。


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はい、法人化を検討するもう一つのフェーズが消費税です。
売り上げが1,000万円を超えると、原則的にはその2年後から消費税の申告が必要です。
つまり、1年目に1,500万円、2年目も1,500万円売上があれば、3年目からは消費税の申告が必要なのですが、そこで法人を作るとその年は消費税の申告義務がないんです。
なので、税金の面で考えると3年目は法人を作るタイミングと言えますね。
ただし、詳細は割愛しますが2023年10月からはインボイス制度という新制度が始まるので、注意が必要です。

法人化のメリットはどこに?

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税金以外の面でいうと、法人化すると登記という形で登録されるので、社会的な信用度が圧倒的に増します。


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クリエイターにおける社会の信用力って、自分の作品に紐づくんですよね。どんな賞を獲りましたとか、個人のスキルとか。
なのでクリエイターは法人かどうかをあまり気にしないことが多いと思うのですが、それでも法人化することのメリットはどんなことが考えられますか。


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大きい会社の場合「法人相手でないと取引できません」という内部規定があったりしますよね。そこで取引できなかったらもったいないな、というのが一つ。
もう一つは、スタッフを雇おうとした場合に、法人の方が採用しやすいと思います。
3点目としては、個人よりも法人の方が信用度が上がるので、資金繰りのための融資を受けやすいこともポイントですね。


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今の3点なんですが、僕個人としては、個人事業主のままでクリアできている気がするんですね。
クリエイターって細分化された役割の一つになるので、制作プロダクションを通して仕事を請負うことが多いし、アシスタントも知り合いレベルで頼めるし、在庫を必要としないビジネスなので借入をして資金繰りという発想もないんです。
もし、クリエイターで法人化した成功例を知っていたら教えて欲しいです。


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税金以外の3点が完全にクリアできるのなら、今のまま個人事業主のでいても特に問題ないと思います。一つあるとしたら、社会保険の話がありますが、この話は社労士さんに譲ります(笑)。


※社会保険労務士(社労士)への専門家インタビューは下記よりご覧いただけます。

会社の財布 ≠ 個人の財布

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法人化することによって、経費にできる範囲は変わりますか。


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経費は法人の方が広範囲なので、個人よりは経費化しやすいとは思います。
あくまで事業に必要な支出という前提ですが、法人で買った車は全額経費にして社用車にすることができますが、個人だと事業とプライベートの利用をある程度分けて考えないといけないですしね。


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法人の方が経費が入れやすいというのが、よくわからなくて。
というのも、僕は携帯も自宅の家賃も按分しているんですけど、それが会社名義になって、全額経費になることが本当にメリットがあるのか、よくわからないんです。


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例えば、ざっくりの話ですが、会社が月額10万円で社宅を借りたら、費用は全額経費になります。
そして社宅を使う高橋さんが2万円を会社に入れたら、会社側の家賃収入が2万円で、会社は8万円の経費を払っていることになります。
会社としては、8万円の経費を払った後の金額に税金がかかってくるので、税金対策になりますよね。


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確かに。


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法人化した時に気をつけたいのは、高橋さん一人で会社を作ったとしても、会社の財布と個人の財布は完全に別になるということです。
会社の財布に売上が入金されました、それを高橋さんが出金しました、となると、その段階で会社から個人への貸付になっちゃうんです。


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会社のお金は1円たりとも勝手に使えない、ということですね。そこをキッパリ分けるのは結構難しそうだなあ。


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慣れないと難しいですよね。また疑問が出てきたら、いつでも聞いてください。



次回は8/18(水)公開予定です。フリーランスだって将来に備えておきたいし、フリーランスだからこそ、本当に困った時には自力でなんとか状況を打破しなくてはなりません。平時の時にできること、やっておきたいことって、一体何? そして、お金ってどこから借りられるの?ちょっとデリケートな融資や貯蓄の基礎知識について、引き続き税理士の吉岡俊哉さんにお話を伺いました。続きをお楽しみに。

※本記事アップ時点での内容となります。法律や手続き方法、名称などは変更されている可能性があります。

1988年生まれ。2011年に独立、最先端技術からアナログ技術を結ぶクリエイティブを提案。CM、MVなどの商業映像を始め、シネマティックな世界観での映像表現を追求。海外のフィルムフェスティバルでの受賞など、映像作家としても活動している。

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