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【クリエイター×社会保険】「攻め」のフリーランスだからこそ痛感した「守り」の必要性

パーソナリティ高橋遼さんによるコラムです。フリーランスとしてキャリアをスタートさせた高橋さん。組織に属さず自分の腕ひとつでやってきたからこそ、今、暮らしを支える保険制度が気になるといいます。その真意は?


その日暮らせる分だけ稼げれば大丈夫だと思っていた

僕は、大学を卒業してから一度も企業に就職していません。フリーランスとして仕事を始め、現在に至っています。

まず、就職をしたくなかったんです。サラリーマンになりたくなかった。今となっては恥ずかしい限りですが、「あんな風に満員電車に揺られて死んだ目をして生きるなんてまっぴらだ」と本気で思っていました(笑)。

学生時代から既に、対価が発生するような請負仕事をいただいていました。月10万円程度ですが、それでも学生にとってはある程度まとまった金額です。バイト代を合わせれば、別に企業に就職しなくたって、食べていくのには困らないだろうと思ったんです。

学生時代は親に仕送りをしてもらっていましたが、卒業したらそういうわけにはいきません。でもまあとにかく、自分の収入だけでもなんとか生きていくことはできそうだぞ、と。極めてその日暮らし的な発想で、フリーランスとしてのキャリアが始まりました。

強がっていても本当は気になる「守り」の部分

しかし、実際にフリーランスとして仕事を続けていくうちに、置かれている環境の不安定さに気づきました。収入も安定しませんし、頼りになるのは自分の身体ひとつです。大きな怪我や病気で仕事に行けなくなったら、いきなり無収入になってしまいます。

老後のことも気になります。クリエイターの仕事って、おじいちゃんになってもできるんだろうか?

「サラリーマンにはなりたくない」と言い続けてきましたが、彼らが受け取っている福利厚生制度は、フリーランスの自分にはありません。いや、正直言うと、あるのかないのかもよく分かっていません。元気な時の自分を基準にして物事を決めてきたけれど、このままずっと行っても大丈夫なんだろうか…そんなことを考えると、だんだん不安になってきます。

不思議なことに、同業者の仲間には、こういう話ができないんですよね。クリエイターとしてのプライドもありますし、足元を見られたくない気持ちもあります。でも本当は、浮き沈みのあるクリエイターだからこそ、自分の生活を支えてくれる様々な仕組みのことを、知っておく必要があるはずです。

そこで次回から、フリーランスを守ってくれる保険の仕組みについて、専門家にお話を伺いながら、改めて学んでいきたいと思います。

※本記事アップ時点での内容となります。法律や手続き方法、名称などは変更されている可能性があります。

1988年生まれ。2011年に独立、最先端技術からアナログ技術を結ぶクリエイティブを提案。CM、MVなどの商業映像を始め、シネマティックな世界観での映像表現を追求。海外のフィルムフェスティバルでの受賞など、映像作家としても活動している。

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