“道草”で生まれるワクワク感を一緒に楽しみたい。合同会社こたつ安藤司さん、安藤佳織さん【素敵なクリエイターさんに会いに行こう!】vol.3
パーソナリティ柴山あかねさんが素敵なクリエイターにインタビューする企画。
「合同会社こたつ」の安藤司さんと安藤佳織さんにお話を聞きました。
お二人が経営する「カフェMICHIKUSA」への想いをエピソードとともに、新たなチャレンジについてもお話いただきました。
クリエイタープロフィール
安藤司さん
北海道出身。大学を卒業後、コーチングの世界へ。その後、独学で身に付けたデザインをもとにフリーランスのデザイナーとして活躍。佳織さんと結婚後、2018年に合同会社こたつを夫婦で設立。人との関係性を大切に育てながら、飲食店やシェア施設などの空間づくり、また場の運営などを展開している。
安藤佳織さん
作業療法士として経験を積んだ後、さまざまな職を経てセラピストとして独立。2018年に司さんと合同会社こたつを設立後は、「カフェMICHIKUSA」や「プライベートサロンlittle」をはじめ、“自分に戻れる”空間づくりを広めている。
目次
友人が突然、運んできた。「カウンターほしい?」
佳織さん:実は、「カフェMICHIKUSA」は居抜き物件だったんです。カラオケスナックを改装したのですが、防音のために窓も閉じられていて。リフォーム会社と相談をして窓をつけもらって、壁の一部は仲間とみんなで3日間かけてグレーに塗りました。
司さん:リフォーム会社からは「30畳分くらいありますよ。本当に大丈夫ですか?」と心配されました。「大丈夫です」と言ったものの、初日から後悔しましたね(笑)。
佳織さん:最初はカウンターもなかったんです。オープンして1年くらい経ってから入りました。
司さん:ビール会社を経営していた友人から譲り受けたんです。コロナ禍で閉店することになって、夜、突然軽トラックで運んできて。「カウンターほしい?」と(笑)。
佳織さん:それが不思議なんですけど、椅子とグレーの壁の雰囲気にぴったりだったんです。
柴山さん:お店づくりも「誰かと一緒に」というコンセプトが活かされているんですね。
苦労して育てた場所だからこそ、活用してほしい
柴山さん:カフェをいつかオープンしたいという方に向けて、一歩を踏み出すためのアドバイスをお願いします。
司さん:お店を出すのに、もちろんいろんなものが必要ではあると思いますが、一番は、正直お金だと思うんです。でも作った後の運営に関しては、お金じゃどうにもならないものが多いと思っています。お客様はお金では買えないので。でも例えば、一日店長や間借りなどを通じて、先にファンを獲得できれば、ご自身のお店を持つ時に大きな後押しとなるはずです。
「カフェMICHIKUSA」を使って、何かチャレンジしたい人がいたらぜひ使ってほしいです。自分たちの好きな空間を、自分たちの好きな人たちにも使っていただけるのは嬉しいことなので。
佳織さん:「カフェMICHIKUSA」は、良くも悪くも隠れ家。だからこそ、自分のペースでゆったり使うことができると思うんです。背伸びしない、等身大の自分でチャレンジできるような場所になっていると思いますし、私たち自身がまさにそうなので、同じ温度感の人にぜひここを使ってみてほしいです。
道草の途中で一息つけるコーヒースタンドをつくりたい
柴山さん:これからどんなふうに事業を育てたいですか?
司さん:実は今、やりたいことがたくさんあるんです。ひとまずやりきったかな、と思っていたんですが、そうでもないようでして(笑)。
たとえば、いまコーヒースタンドができる場所を探しています。イートインスペースのない、本当にドリンクの提供だけのお店がやりたくて。
「カフェMICHIKUSA」のコンセプトが、「道草しよう」なんです。まっすぐな一本道じゃなくていいと思うんです、人生って。本流からはずれていい、遠回りしてもいい、蛇行してもいい。人生長いんだから、道草しながら楽しもうよ。道草の先にきっと星があるよ、と。だからロゴマークにも星を意味するアスタリスクを蛇行した道の先に置いてるんです。
それでいうと、きっとこのお店は道草の始まりの場所だと思うんです。ここでご飯食べて、エネルギーをチャージして、道草しに行く。いってらっしゃい、と背中を押せるような場所になるといいなと思っています。
柴山さん:道の途中で自分の星を見つけてほしいと。
司さん:そうです。でも、道のりは長いですよね、きっと。だからその途中でコーヒーでも飲んで休んでほしい。道草を楽しむ人にとって、安らげて、エネルギーを蓄える場所をつくりたいんです。「コーヒー飲んで行ってよ」と。うまく伝わるかなぁ。でも、まずは僕らが道草し続けることって大事だと思うので、これからもいろんなことにチャレンジしながら、人生の道草を楽しんでいきたいです。
いろいろな人とチャレンジを続けたい
佳織さん:一緒に料理をして食べたり、いろいろな人たちと触れ合ったり。豊かな時間が過ごせる空間をつくりたいです。合同会社こたつと関わることで、多様な人たちが出入りできる場所をつくりたいんです。私たちはこれまでご縁から生まれた関係性から一つひとつ事業を作り、育ててきました。これからも大切にしていきたいですね。
司さん:一つ一つの事業規模は小さくてもいいんです。たとえば、1つの事業で1億円を売り上げなくても、100個の事業で1億円いけばいいと思うんです。その方が楽しそうだし、大きな喜びを感じられます。そんな気持ちで、いろんな人たちとチャレンジしていけたらいいなと思っています。
佳織さん:道草の途中で何が生まれるのか私達にもわからない。そんなワクワク感をこれからも楽しみたいです。
パーソナリティ 柴山あかねさんの「編集後記」
「やりたい」「いいよ」。
お二人がカフェを始めたきっかけは、こんなふうにとてもシンプルなやりとりだったといいます。
一歩踏み出すのは、とても重たいことのように思えますが、全ての始まりは「やりたい」「いいよ」のような、シンプルなやりとりの繰り返しなのではないでしょうか。シンプルだけど本質的な問いと答えを、日々自分に与えていったら、新しい一歩を踏み出せるかもしれません。
そして、お二人のお話のキーワードとして「愛」がでてきました。
「好きなのか、愛はあるのか」
やりたいことを進めていると、苦労もつきものです。予期せぬトラブルや課題がたくさんでてきます。ですが、「愛」があれば「今ここから導き出せる解決策はなんだろうか?」と、良い方向に向かうためのゴールを設定できます。それは、仕事はもちろん、恋愛も同じだと思います。愛がないと、結局、自分も一緒に頑張る人も苦しめてしまいます。愛の先に「どうでもいいや」という答えはないはず。一時的にそう思うことがあったとしても、心の底の部分でひっかかることがあれば、きっとどこかに愛があるのでしょう。
みなさんの日常にもきっと、「やりたい」という気持ちや「愛」が転がっているのではないでしょうか。
そんなときには「カフェMICHIKUSA」に立ち寄って、「道草しよう」というコンセプトを思い起こしながら、問いかけてみてはいかがでしょうか?
「一本道だけじゃなくてもいい。蛇行しているように見える道にも星はたくさんある。道草しようよ」というお二人のメッセージを胸に、今日も道草の途中とおもいながら過ごしてみようと思います。
【 Information 】
「いい夫婦にはいい文化がある」
11/22(いいふうふ)の日に、フリーペーパー「#1122」発行
司さんと佳織さんからのお知らせです。
11/22(いいふうふ)の日に、夫婦で活動されている方々のインタビューを1冊にまとめたフリーペーパー「#1122」を発行しました。素敵な冊子に仕上がったそうです。
この数年はコロナの影響から、仕事や生活の在り方が大きく変化しました。あらためて人間関係や家族関係の問題、コミュニケーションにおける様々な課題が浮き彫りになりつつあります。そんな時代において、夫婦という最小単位の社会構成で、どんなことを大事にしたり、どんなルールを設けているのか。そして、そこにはどんな文化が醸成されているのか。夫婦にフォーカスを当てることで、夫婦関係だけでなく、社会における「関係性を築いていくヒント」が見つかる冊子になっているそうです。合同会社こたつが運営するカフェ、サロンにて配布されます。ぜひ手にとってみてください!
https://cotatsullc.com/
※本記事アップ時点での内容となります。法律や手続き方法、名称などは変更されている可能性があります。