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映像技術で「新しいことにチャレンジしたい人」をサポートする。映像クリエイター高橋遼さんvol.4

クリエイターの仕事や生活に役立つ情報をお届けするSHOOTEST Journal。今活躍中のクリエイターをパーソナリティとして迎え、日頃仕事や私生活で感じる疑問や悩みを専門家と解決していきます。
パーソナリティの一人、映像クリエイターの高橋遼さん。映像という未経験の世界を選択した高橋さんが、スキルを身につけるため、仕事を得るために選んだ方法を語っていただきました。


最初は「ドローンで撮れる人」として

ーー未経験から独学で撮影技術を身につけていった高橋さん(第3回のリンク)ですが、お仕事はどんな風に獲得していったんですか。

勉強のために撮った映像をPR的にインターネットに載せていました。異業種交流会などもありましたけど、営業としてあまり意味がないなと思っていて。今までの仕事でお世話になった人たちに「今動画やってるんですよね〜」って言ってみたりしてました。まあ、急にそんなこと言ってもスルーされることが多かったですけど。反応がなくてもそれを恥ずかしいとは思ってなかったので、仕事に結びつきそうな人にはメッセージを送ったりもしていました。

最初に注目していただいたのは、ドローン撮影なんです。ちょうどドローン機材が出始めた頃で、ARアプリの時と同様「これだ」って思って、すぐに手に入れて。撮った映像をポートフォリオにまとめたり、自分のSNSでも「これ、ドローンで撮ってます」って投稿しました。

目新しいものはやっぱり受けがいいんですよね。プロの映像作家たちはまだ様子見してる人が多い時期だったのも幸いして、そのあたりから、ぽつぽつドローンの制作案件をいただくようになりました。2016年ぐらいのことだったと思います。

自分にしかできない仕事をつくる

その頃、必ずやっていたことがあって。撮影案件をいただく時に、自分で企画書をつくって出していたんですよ。普通は撮って欲しいといわれたものを撮るだけなんですが、「あなたのオーダーを受けて、こういう風に撮影します」ということを、企画書としてまとめて出していたんです。

そんなことをしているうちに、ある日、
「動画だけじゃなく、Webサイトも含めたプロジェクトの全体管理もお願いできますか?」
というお話が来たんです。「もちろんやれますよ。ぜひやらせてください」と。制作以外の仕事の経験を活かせる時が来ました。

もともとプロデューサーとして撮影を依頼をする側だったので、プロジェクトを統括的に見ながら安定したクオリティの作品を作る人は貴重だし、なかなかいないとも感じていました。自分がそういう人間になれたら、めちゃめちゃ信頼されるだろうな、と思っていたんです。

それ以降、Web制作とドローン撮影とか、webに載せる写真撮影とドローン撮影とディレクションというように、いろんな役割をミックスした仕事が入るようになってきました。

ーーそれは、様々な経歴を経てきた高橋さんならではのお仕事ですよね。

だと思います。だんだん「ドローンで撮れる人」から「映像全般できる人」「web制作も任せられる人」だと思ってもらえるようになってきました。ARアプリもやってたので「ARやVRといった新技術のことも全部わかる人」みたいに、今まで自分のやってきたものが、自分の幅をどんどん広げる形になっていきました。

コロナ禍で見つけた次の戦略

ーーそんな高橋さんですが、今また新しいチャレンジをしているとか。

昨年から、撮影スタジオを始めたんです。きっかけはコロナです。ある撮影のお仕事で、当日、撮影スタジオで検温したら、38度あってスタジオに入れなくなっちゃったんです。

実際は感染症ではなく熱中症だったんですが、もしコロナだったら、2週間も身動きがとれないのかと恐怖を感じました。クライアントさんに迷惑をかけてしまったし、フリーランスだからもちろんお金も入ってこないわけです。急に撮影できない可能性があるこの状況って、リスクが高いなと痛感しました。

それをきっかけに、自分で管理できる撮影スペースを持ちたい、請負ではない自分のビジネスをつくりたいと思って、撮影スタジオのレンタルサービスを始めました。

新しいことにチャレンジしたい人のためのクリエイティブ

今は、映像クリエイターがひとつの自分の軸になっていますが、提案する企業さんは、ARをやっていた頃のような大企業より、新しいことに挑戦している人が多いですね。webサービスやアプリをつくっていたり、新規事業にチャレンジしている人ですね。中でも、ARやVR、XRといった最新技術に敏感な人たちが何かアウトプットしたい時に呼んでいただくことが多くなっています。

ここ数年は自分から新規営業をすることは少なく、知り合いが紹介してくれる案件でやれるようになってきました。とはいえ、以前のように、自分でコントロールすることが難しい仕事が次から次へとやってくるということはないですね。自分の意志で制作して、手応えを感じているので、クリエイターとして充実した仕事ができています。

※本記事アップ時点での内容となります。法律や手続き方法、名称などは変更されている可能性があります。

1988年生まれ。2011年に独立、最先端技術からアナログ技術を結ぶクリエイティブを提案。CM、MVなどの商業映像を始め、シネマティックな世界観での映像表現を追求。海外のフィルムフェスティバルでの受賞など、映像作家としても活動している。

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