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専門家インタビュー:税理士

大きな声では聞きづらい、でも本当はとっても知りたい税金・資金計画の基礎知識vol.1

独立してフリーランスになると避けて通れないのが、確定申告。
適当にフリーソフトに入力して提出したら大丈夫だったけれど、あれであっていたのかな? かなりザックリ入力したから、いつか税務署に調べられたりしないかな? とドキドキしている人は少なくないはず。
知らなくても今はなんとかなっている、でも本当は知っておきたい確定申告の基礎知識について、税理士の吉岡俊哉さんにお話を伺いました。

専門家プロフィール
吉岡俊哉 Shunya Yoshioka/税理士
新卒でコンサルティング会社・税理士法人へ入社し、中小企業の税務顧問・事業継承案件・相続案件を中心に従事。メガバンクに出向後、2013年に税理士登録。2017年に独立し、税理士法人THREE設立。


還付金が振り込まれたらOK?

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フリーランスになって10年目なのですが、これまでずっと確定申告を自己流にやってきたので、一度すっきりキレイにしたいなと思うんです。
でも、税理士さんに自分の汚い部屋を見せるような気がして、恥ずかしいような。


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それは全然気にしなくて大丈夫です(笑)。
私も仕事上いろいろなフリーランスの方がご自身で作成した確定申告書をみていますが「これで税務署通るんだ」と思うレベルのものはたくさんありますから。
でも、きちんとしたいという思いがあるのであれば、今後は税理士などとコミュニケーションをとって作成するのも一つですね。


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早速、一つ聞いていいですか。
僕は郵送で確定申告をしているんですが、ハンコが押された「控え」が送られてきて、かつ、還付金が入金されたら、それは問題なく処理されたという認識であっていますか?


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「受領しました」という意味ぐらいに受け取ってください。
もし税務調査があれば、基本的には3年くらい遡って調査が入ります。ですから、少なくとも3年分は領収書や帳簿を残しておく必要があります。
ただ、手渡しの現金でもらった売上を除外するなど、悪質な場合には7年分見られることもありますので、注意が必要です。


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手渡しの現金でもバレるのはなぜですか。


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払っている側が経費として税務署に申告していると、「向こうでは経費になっていますけど、あなたは収入に入れてませんよね」と指摘されます。
あとは、発生していないのに外注費を計上したりすると、「高橋さんからあなたにいくら払ったことになっていますけど、あなたの方では売り上げになっていますか」と、相手方に調査が行くこともあります。

ディズニーランドは経費になる?

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僕、できれば税務調査をうけたくはないんですけど(笑)、万が一税務署から「ちょっと確認させてくださいね」と連絡が来た時には、どう対応すればいいんでしょうか。
対応次第ではNGになるものがあるのでは、と不安です。


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税務調査が来たら、正直に対応するしかないです(笑)。
「全部見せてください」と言われたら、基本的にはできる限り調査に協力して身の潔白を証明してください。ですから、領収書も含めすべて保管しておくのが前提になります。
また、個人事業主はプライベートとの境目が難しいので、やたら経費に飲食があったり、例えばディズニーランドのチケットなどがあったりすると、そこは突っ込まれます。
事業とプライベートとの境目は、まず見られると思っておいてください。


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「クライアントとの関係づくりが目的なのでディズニーも経費です」という場合もありますよね。そう説明したら、クライアントに確認が入ることもありますか。


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額が大きいと、裏どりという形で連絡が行くことはあります。


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そうなると、相手に迷惑をかける可能性があるということですよね。ちなみに、税務調査ってどんな感じで来るんですか。


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一般的な税務調査は、まず電話が来て「このくらいの日程に行きたいんですけど、1日か2日空けておいてください」と言われますね。
クリエーターさんの場合はないかもしれないですが、飲食など現金商売の場合は、いきなり踏み込まれてレジの現金があっているかを見られたりすることもあります。

税務署が目を光らせているのはこんな人

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恐ろしいですね(苦笑)。 
10年もやってるとそろそろ税務調査が来てもおかしくないのかなと思うんですが、「売上が1,000万円を超えたら要注意」とかありますか。


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1,000万、2,000万円稼いでいる方がザラにいる東京と、あまりいない地方とでは事情は変わりますが、基本的に数千万円単位で稼いでいる方は目につきやすいでしょうね。


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「赤字だったら税務調査には入られないよ」と言ってる人がいたんですが、赤字の人こそごまかしてる可能性がありませんか。


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そうですね、年間5,000万円売上があるのに赤字とか、売上が毎年数千万円単位で変動するのに、利益は毎年100万円で一定しているとか、いびつな部分があると目につくでしょうね。


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事業とプライベートの境目とか、どこまで経費にしていいとか考えると、もう全部税理士さんにお任せしたくなっちゃうんですが、領収書を送ると帳簿をつけてもらえるのでしょうか。


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私のお客さんには、3カ月ごとに領収書を送ってもらうようにしています。
その中でどれだけ稼げているかも見えてくるので、節税対策なども提案しています。


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確定申告も込みでやってもらえるんだったら、自分の時間も有効に使えるし、その上節税対策も教えてもらえるのならお願いするのも一つの手ですね。



次回は8/11(水)公開予定です。独立してフリーランスになり、安定して売上が伸びてくると視野に入ってくるのが、法人化という次のステップ。法人化した方がいいのか、今のままがいいのか。そもそも何が変わるのか?法人化を検討するうえでの基礎知識について、引き続き税理士の吉岡俊哉さんにお話を伺いました。続きをお楽しみに。

※本記事アップ時点での内容となります。法律や手続き方法、名称などは変更されている可能性があります。

1988年生まれ。2011年に独立、最先端技術からアナログ技術を結ぶクリエイティブを提案。CM、MVなどの商業映像を始め、シネマティックな世界観での映像表現を追求。海外のフィルムフェスティバルでの受賞など、映像作家としても活動している。

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